2ちゃんスレより
男が死のビデオを再生すると、ずぶ濡れの女性がこちらに這ってくる映像が流れた。腰まで届く黒髪に雪のように白い肌、男は一目でその女性に恋をしてしまった。
彼女と傍で話ができたら・・男が思っているとなんとその女性は画面を突き抜けて部屋のなかに入ってきたのだ。歓喜した男は早速彼女を口説き始める。
女性ははじめのうちは呆れたような険しい表情でじっと佇んでいたが、次第に彼のあまりの情熱に絆されていく。
その女性の名前は貞子。悪霊をしているらしい。この日から、男と貞子の奇妙な同居生活が始まった。
想いが通じ合い、幸せに暮らす二人だったがそれも長くは続かないことを貞子は悟っていた。
そう、彼がビデオを再生したことによる『死の呪い』である。呪いを掛けるのは貞子自身なのだから、彼を生かすことも勿論可能なのだ。だが呪いを掛けるのをやめるということは、即ち彼女が成仏することを指す。
あるべき世界の違う二人は、出会った瞬間から予め定められた別れがあったのだ。
貞子の葛藤に気づいてか、男は彼女に諭すように話した。
「この世界でやり残した事があるのならば、僕のことなどどうか気にしないで。最後が君との思い出でいっぱいだなんて、僕はこの上ない幸せ者だよ。」
彼の笑顔を見つめ、貞子はある決心をする。
その夜、隣で眠る貞子を腕に抱きながら男も瞳を閉じる。――ああ、このままこの目が開かれることはなくてもかまわない!男は幸せそうな表情で深い眠りの中に堕ちていった。
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翌朝、閉めた筈の窓から吹き込む風で男は目を覚ます。隣に抱いて眠った筈の冷たい体は無い。
男はあきらめきれずに再度死のビデオを再生する。無駄だと分かっていながら、何も写らない画面を繰り返し再生し続けた。
その日部屋に響くのはテレビの砂嵐の音と男の嗚咽だけだった。
リング〜another Ep1〜 《完》 スイーツ(笑)


